日本人20歳代が選ぶキャラクター

性別、ライフスタイル、触れてきた文化(アニメ、漫画、ゲーム、映画、音楽など)、個人の価値観によって、「好き」の対象は千差万別です。

それを踏まえた上で、現在の日本の20代の間で一般的に人気が高い、あるいは話題に上りやすいキャラクターの傾向と、具体的な例をいくつかご紹介します。近年の傾向として捉えてください。

1. アニメ・漫画キャラクター:依然として強い影響力

20代の多くは、子供の頃から現在に至るまで、様々なアニメや漫画に触れて育っています。そのため、このジャンルのキャラクターは非常に大きな割合を占めます。

国民的・長期連載作品のキャラクター:

『ONE PIECE』: ルフィ、ゾロ、サンジ、ローなど、主要キャラクターは世代を超えて根強い人気があります。特に20代は、物語が大きく動く様子をリアルタイムで追ってきた世代でもあります。

『名探偵コナン』: コナン(新一)、安室透、赤井秀一、怪盗キッドなどは、特に女性を中心に熱狂的なファンが多く存在します。映画のヒットも人気を後押ししています。

近年のメガヒット作・話題作のキャラクター:

『呪術廻戦』: 五条悟、伏黒恵、虎杖悠仁、夏油傑など、デザイン性の高さやキャラクターの持つ背景、能力などが人気を集めています。

『鬼滅の刃』: 炭治郎、禰豆子、善逸、伊之助、そして柱たち(煉獄杏寿郎、冨岡義勇、胡蝶しのぶなど)は社会現象となり、20代にも広く浸透しています。

『SPY×FAMILY』: アーニャ、ロイド、ヨルは、その可愛らしさやギャップ、家族の温かさが幅広い層に受け入れられています。

『【推しの子】』: アクア、ルビー、有馬かな、アイなど、芸能界の光と影、複雑な人間関係やキャラクターの心理描写が注目されています。

『東京卍リベンジャーズ』: マイキー(佐野万次郎)、ドラケン(龍宮寺堅)、場地圭介、松野千冬など、不良漫画としての熱さやキャラクター同士の関係性が人気です。

『チェンソーマン』: デンジ、マキマ、パワー、早川アキなど、ダークで独特な世界観と予測不能な展開、魅力的なキャラクターが話題となりました。

『葬送のフリーレン』: フリーレン、ヒンメル、フェルン、シュタルクなど、静かで美しい世界観、キャラクターたちの関係性や心情の描写が深く支持されています。

『ブルーロック』: 潔世一、蜂楽廻、凪誠士郎、糸師凛など、サッカー漫画としての斬新な設定と、個性的なキャラクターたちのエゴイズムや成長が人気です。

根強い人気を持つ作品のキャラクター:

『ハイキュー!!』: 日向翔陽、影山飛雄、及川徹、黒尾鉄朗など、スポーツ漫画としての熱さ、キャラクターたちの成長と絆が多くのファンを魅了し続けています。

『僕のヒーローアカデミア』: 緑谷出久、爆豪勝己、轟焦凍など、ヒーローを目指すキャラクターたちのドラマが人気です。

その他: 『進撃の巨人』『銀魂』『鋼の錬金術師』など、少し上の世代から続く人気作のキャラクターも、20代にとって思い入れの深い存在であることが多いです。

2. ゲームキャラクター:スマホゲームとコンソールゲームの人気

ゲームは20代にとって非常に身近なエンターテイメントであり、登場キャラクターへの愛着も深いです。

スマートフォンゲームのキャラクター:

『原神』: 魅力的なキャラクターデザインと広大なオープンワールドが人気。鍾離、雷電将軍、楓原万葉、ナヒーダなど、多数の人気キャラクターがいます。推しキャラへの熱量は非常に高い傾向があります。

『Fate/Grand Order (FGO)』: 歴史上の偉人や神話の登場人物をベースにしたサーヴァントたち(アルトリア・ペンドラゴン、ギルガメッシュ、ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕など)は、長年にわたり根強い人気を誇ります。

『ウマ娘 プリティーダービー』: 実在の競走馬を擬人化したキャラクターたちが人気。スペシャルウィーク、サイレンススズカ、キタサンブラック、ゴールドシップなど、キャラクター性とストーリーが支持されています。

『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』: オリジナルキャラクターとボーカロイドたちが人気。ユニットごとのファンも多いです。

その他: 『あんさんぶるスターズ!!』『ツイステッドワンダーランド』など、特に女性人気の高いゲームのキャラクターも多数います。

コンソールゲームのキャラクター:

『ポケットモンスター』シリーズ: ピカチュウは別格として、イーブイとその進化形、ルカリオ、ゲッコウガ、各世代の御三家ポケモンなど、好きなポケモンは人それぞれですが、普遍的な人気があります。トレーナーキャラクター(例:N、シロナ、ダンデなど)の人気も高いです。

『ゼルダの伝説』シリーズ: リンク、ゼルダ姫は常に人気。近年の『ブレス オブ ザ ワイルド』『ティアーズ オブ ザ キングダム』の登場キャラクターも話題です。

『ファイナルファンタジー』シリーズ: クラウド、セフィロス(FF7)、ティファ、エアリス、スコール(FF8)、ジタン(FF9)、ティーダ、ユウナ(FF10)など、歴代ナンバリングの人気キャラクターは20代にも認知度が高いです。特にFF14のキャラクター(エメトセルク、グ・ラハ・ティアなど)は現役プレイヤーを中心に熱い支持があります。

『スプラトゥーン』シリーズ: イカやタコのキャラクター(インクリング、オクトリング)、シオカラーズ(アオリ、ホタル)、テンタクルズ(ヒメ、イイダ)、すりみ連合(フウカ、ウツホ、マンタロー)など、ポップで個性的なキャラクターが人気です。

3. VTuber (バーチャルYouTuber):新たなキャラクターの形

20代の間では、VTuberも「好きなキャラクター」として認識され、非常に大きな人気を集めています。「にじさんじ」や「ホロライブ」といった大手事務所に所属するVTuberは、個々のキャラクター性、配信内容、ファンとの交流を通じて、熱狂的なファンコミュニティを形成しています。特定のVTuberを「推し」として応援する文化が根付いています。

4. サンリオ、ディズニーなどの定番キャラクター

サンリオキャラクター: シナモロール、クロミ、ポムポムプリン、ポチャッコ、ハンギョドンなどは、特に若い女性を中心に安定した人気があります。「カワイイ」文化の象徴として、グッズやファッションアイテムも人気です。

ディズニーキャラクター: ミッキーマウスやプリンセスたちはもちろん、ピクサー作品のキャラクターなども根強い人気があります。

5. SNS発のキャラクター

『ちいかわ』: ちいかわ、ハチワレ、うさぎといったキャラクターは、その可愛らしさの中に潜むシュールさやダークさが20代にも刺さり、大ブームとなっています。

20代の「好き」の特徴・傾向

多様性と細分化: 上記のように、好きなキャラクターのジャンルが非常に多岐にわたります。また、同じ作品内でも「推し」は人それぞれで、好みが細分化しています。

共感とストーリー重視: キャラクターの外見だけでなく、その性格、背景、抱える悩みや葛藤、成長の物語に共感し、感情移入する傾向が強いです。

「推し活」文化の浸透: 特定のキャラクター(推し)を熱心に応援する「推し活」が一般的になっています。グッズ購入、イベント参加、SNSでの交流・発信、二次創作などを通じて、ファン活動を積極的に楽しみます。

ビジュアル・デザインへの感度: キャラクターデザインやイラストのクオリティ、声優の演技なども「好き」を構成する重要な要素です。

SNSでの情報共有と拡散: X (Twitter) やInstagram、TikTokなどのSNSを通じて、好きなキャラクターに関する情報交換やファンアートの共有が活発に行われ、人気が拡散していく傾向があります。

ノスタルジー要素: 子供の頃に見ていたアニメやゲーム(例:ポケモン、デジモン、おジャ魔女どれみ、セーラームーンなど)のキャラクターに、大人になって改めて愛着を感じる層も一定数います。

まとめ

日本の20代が好きなキャラクターは、アニメ、漫画、ゲームを中心に非常に多様であり、特定の数キャラクターに人気が集中するというよりは、個々人がそれぞれの「推し」を見つけて熱中している状況と言えます。

近年のヒット作のキャラクターはもちろん、長年愛される国民的キャラクター、スマホゲームやVTuberといった新しい形のキャラクター、そしてサンリオなどの定番キャラクターまで、幅広い選択肢の中から、自身の価値観や感性に合ったキャラクターが支持されています。その背景には、共感を呼ぶストーリーや魅力的なビジュアル、そして「推し活」という文化的なムーブメントが存在していると言えるでしょう。