フィギュアの保管:日焼け、色移り、変形を防ぐ

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フィギュアの保管:日焼け、色移り、変形を防ぐ

フィギュアは、その精巧な造形と鮮やかな色彩で、多くのコレクターにとって大切な宝物です。しかし、適切な保管を怠ると、時間とともに美しさが損なわれてしまうことがあります。特に、日焼けによる退色、素材間の色移り、そして温度・湿度による変形は、フィギュアの寿命を縮める大きな要因です。ここでは、これらのリスクを最小限に抑え、フィギュアを長期間美しく保つための保管方法について、深く掘り下げて解説します。

日焼け(紫外線による退色)を防ぐ

フィギュアの退色や黄ばみの主な原因は、太陽光に含まれる紫外線(UV)です。紫外線は、フィギュアの塗装や素材の分子構造を破壊し、色あせや劣化を招きます。

保管場所の選定

最も基本的な対策は、直射日光の当たらない場所にフィギュアを保管することです。窓際や照明器具の近くは避け、部屋の奥やクローゼット内など、光が届きにくい場所を選びましょう。

遮光対策

どうしても日当たりの良い場所に置きたい場合や、照明の光が気になる場合は、遮光カーテンやブラインドを活用しましょう。また、フィギュアを覆うためのUVカット機能付きのディスプレイケースも有効な手段です。これらのケースは、ガラスやアクリルにUVカット加工が施されており、外部からの紫外線を大幅にカットしてくれます。

照明の選択

室内の照明も、長時間当て続けると退色を招く可能性があります。特に、蛍光灯や白熱灯は紫外線を多く放出するため、LED照明への切り替えを検討すると良いでしょう。LED照明は、紫外線量が少なく、発熱も少ないため、フィギュアにとってより安全な選択肢となります。

色移りを防ぐ

フィギュアの色移りは、主に異なる素材や塗装が直接触れ合うことで発生します。特に、PVC(ポリ塩化ビニル)製のフィギュアは、他の素材や塗料と長期間接触すると、色移りを起こしやすい性質があります。

素材間の接触を避ける

フィギュア同士を密着させて保管したり、フィギュアのパーツが他の素材(布、プラスチック、金属など)に長時間触れたままにならないように注意しましょう。各フィギュアを個別に保管することが最も確実な方法です。

仕切りや緩衝材の活用

ディスプレイケースや収納ボックスに入れる際は、仕切り板や緩衝材(プチプチなど)を活用して、フィギュア同士やケースの素材との直接接触を防ぎます。特に、塗装が剥がれやすい部分や、柔らかい素材の部分は、丁寧に保護することが重要です。

経年劣化による影響

フィギュアの経年劣化や、保存状態によっては、塗装が不安定になり、わずかな接触でも色移りしてしまうことがあります。定期的にフィギュアの状態を確認し、必要に応じて配置換えや保護材の見直しを行いましょう。

変形を防ぐ

フィギュアの変形は、主に温度、湿度、そして物理的な圧力によって引き起こされます。特に、夏場の高温や、湿度の高い環境は、フィギュアの素材(特にPVCやABS樹脂)を柔らかくし、変形しやすくします。

温度・湿度の管理

フィギュアを保管する場所は、直射日光が当たらず、風通しの良い、温度・湿度が安定した場所を選びましょう。エアコンや除湿器を適切に利用し、極端な温度変化や高湿を避けることが肝心です。具体的には、年間を通して15℃~25℃程度、湿度は40%~60%程度に保つのが理想的です。

物理的な圧力の回避

フィギュアを重ねて保管したり、重いものを上に置いたりすることは、物理的な変形を招きます。フィギュアは、できるだけ平らな場所で、他のものに圧迫されないように保管しましょう。ディスプレイする際も、落下や衝撃に注意が必要です。

長期間の固定ポーズ

一部のフィギュア、特にアクションフィギュアなどは、長期間同じポーズで固定しておくと、関節部分や素材がその状態に馴染んでしまい、可動域が狭まったり、変形したりすることがあります。時々ポーズを変えたり、関節を軽く動かしたりすることで、素材の柔軟性を保つことができます。ただし、無理な可動は破損の原因となるため、慎重に行ってください。

保管時の台座や支柱

一部のフィギュアは、自立が難しいため、台座や支柱が付属しています。これらのパーツを適切に使用することで、フィギュアへの不要な負荷を軽減し、変形や転倒を防ぐことができます。フィギュアの重さや形状に合った台座や支柱を選び、しっかりと固定することが重要です。

その他の保管上の注意点

上記以外にも、フィギュアを美しく保つためには、いくつかの注意点があります。

ホコリ対策

ホコリは、フィギュアの見た目を損なうだけでなく、素材によっては塗装を劣化させる原因にもなります。密閉性の高いディスプレイケースや収納ボックスを使用し、ホコリの侵入を防ぎましょう。定期的にケースを開けて、フィギュア本体やケース内を掃除することも大切です。掃除の際は、柔らかいブラシやマイクロファイバークロスを使用し、塗装を傷つけないように注意してください。

薬品や化学物質

フィギュアの近くに、芳香剤、防虫剤、除湿剤、あるいは強力な洗浄剤などを置くのは避けましょう。これらの薬品や化学物質は、フィギュアの素材や塗装に悪影響を与え、変色や劣化を引き起こす可能性があります。

移動時の注意

フィギュアを移動させる際は、本体に直接触れるのではなく、土台や台座を持って慎重に運ぶようにしましょう。特に、破損しやすいパーツ(武器、髪の毛、細い突起など)には十分注意が必要です。可能であれば、購入時の箱や、専用の緩衝材に入れて運ぶのが最も安全です。

展示方法の工夫

フィギュアを展示する際は、適度な間隔を空けて配置し、風通しを良くすることで、湿気や温度の滞留を防ぐことができます。また、照明の当たり具合にも注意し、特定の箇所に長時間光が集中しないように、照明の配置や角度を調整しましょう。

定期的なメンテナンス

フィギュアは、定期的に状態を確認し、必要に応じてクリーニングやメンテナンスを行うことで、その美しさを長く保つことができます。埃を払う、軽い汚れを拭き取るなどの簡単な手入れでも、長期的に見れば大きな違いを生みます。

まとめ

フィギュアを日焼け、色移り、変形から守るためには、保管場所の選定、遮光・防湿・防熱対策、そして素材間の接触を避けることが極めて重要です。これらの対策を複合的に行うことで、大切なフィギュアを、購入時の輝きを失うことなく、いつまでも鑑賞し続けることができるでしょう。手間を惜しまず、愛情を持って保管することが、フィギュアコレクターにとっての醍醐味と言えます。