クマのプーさん 創作スケッチ: 世界一有名なクマ 誕生のひみつ

クマのプーさん 創作スケッチ: 世界一有名なクマ 誕生のひみつ詳細

クマのプーさん 創作スケッチ: 世界一有名なクマ 誕生のひみつ

クマのプーさん 創作スケッチ: 世界一有名なクマ 誕生のひみつ口コミ

プーさんと言えばディズニーのあのクマを思い浮かべる方がほとんどかと思いますが、その誕生はディズニーが1966年にアニメーション化するずっと前、1926年に遡ります。プーさんの原作者A.A.ミルンについては、本国イギリスのみならず、日本でも彼の足跡を追った文献が数多く出版されていますし、その息子クリストファーについては近年映画化された事もあり、それなりに知っているという方も少なくないのではないかと思います。一方のE.H.シェパードですが、プーさんがイギリスのメシュエン社から出版された1926年以降、一度も途切れる事なく世界中で印刷され続けている栄光の大きな役割を担っているにも関わらず、彼の生涯に重きを置いた出版物は驚くほど少ないです。今日のプーさんのイメージは間違いなくシェパードが描いた素晴らしいイラストがベースであり、彼がいなければ、あるいは彼ではない他の誰かがプーさんを描いていたとしたら、プーさんと100エーカーの森の仲間たちはここまで愛されてはいなかっただろうとすら思えます。ミルンの息子クリストファーが、その母ダフネに与えられたハロッズのテディベアがプーのモデルとされていますが、実際にはシェパードは、自分のそばでいつも遊んでいる息子のグレアムが持っていたシュタイフ製のテディベア「グラウラー」をモデルにプーさんを完成させました。本書ではそんなプーが完成するまでの変遷を、シェパード直筆の貴重なイラスト満載で追っていくことが出来ます。ミルンとクリストファー、そしてプーの関係は言うまでもないですが、物語の重要な部分で、シェパードが控えめに、でもとても強くて素晴らしい影響を与えていたことが分かります。彼が幼い頃から絵を描く才能を見せていた事、戦地で勇敢に戦った有能な軍人だった事、ミルンは初版から二年後の1928年以降は二度とプーさんを書きませんでしたが、シェパードは亡くなる1976年まで愛情を持って描き続けた事、それらの事実を貴重なイラストや写真で振り返ることができるのが本書です。2026年には生誕100周年を迎えるプーさん。その愛おしい森と仲間たちの姿を私たちに見えるようにしてくれたシェパードに想いを馳せながら読んで欲しい一冊です。